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相手に伝わる提案書でのストーリーの決め方

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以前に「提案書作る時に注意するポイントとは何か?」で提案書を作るうえでの要素をお話しました。また「話が伝わるプレゼンテーションの型」として、提案書やプレゼンで使えるストーリーの組み立てる型をご紹介させて頂きました。

営業現場、提案、プレゼンの時など、相手に伝えたい内容がある場合は、相手にわかりやすくこちらの考えや主張を伝える必要があります。こんな時に自分が話したい順序で話をしてしまうと、相手も理解が難しくなってしまいますので、一定の型にそって流れを作ることで理解もしやすくなります。

但し、話の型には様々な種類があり、どの場合に何を選んだらいいのか悩むことも多いと思います。今回は、提案書の作成で使える、型の選び方や選ぶタイミングを整理していきます。

話のストーリーを選ぶのポイント

以前にご紹介した型で、PREP法やSDS法はシンプルで使いやすく汎用性の高いものですが、DESC法や空雨傘のフレームワークは問題解決型の方になっています。他にも中間位のバランスの方など、種類が多くあるためどう選んでいくか、悩むことも多くあります。

私が日々、提案活動の場にいる中で感じるのは、必ずしも1つの型が優れていて他が劣っているわけではなく、状況に応じて使い分けることが必要だと感じています。特に提案の場では、相手に伝えることが必要になりますので、相手の状態に合わせてストーリーを組んでいくことが大事になると考えます。

相手側からすると、なりたい姿があり、そのために解決する問題や課題を認識して、解決する意思を持ち、その上で解決策を探したり比較したりすることになりますので、「問題や課題を認識しているか?」と「解決の意思を持っているか?」の2点を知ることが重要になります。

この2点の有無によって、聞く側が求める情報が大きく変わりますので、それに合わせてストーリーを組んでいく必要があります。

話のストーリーを選ぶ具体例

相手側が、問題や課題を認識していない場合を想像していみます。
聞いている側が問題や課題を認識していないため、まずはこの問題や課題を認識してもらう必要があります。その上で、解決することでのメリットを伝えつつ解決の意思が出てくれば、解決策の提案にも耳を傾けてくれます。

となると、問題解決型のDESC法などの方が相手は理解しやすくなります。すごく簡単な例ですが、ショップへのポイントカードシステムの提案を考えてみます。

Describe:描写:他のショップに比べるとリピーターが少ない

Express:表現:リピーターを増やさないと新規を集めても売上は伸びづらい

Suggest:提案:自社でポイントシステムを運用すれば、顧客の囲い込みができます

Consequence:結論:当社システムで今日からでもポイントシステムを運用できます

これを汎用性の高いSDS法で表現してみました。

Summary:要約:リピーターを獲得すると売上向上できます

Detail:詳細:当社のポイントシステムを導入すると、今日からでも顧客の囲い込みを実現でき、リピーター増による売上向上に寄与します

Summary:要約:今日からでも売上向上を実現できます

SDS法はシンプルで分かりやすいですが、聞き手が問題や課題を認識していない場合には、あまり適しているとは感じません。

逆に、問題や課題の認識、解決する意思もある場合は、客観的な事実から話すDECS法では提案までに時間がかかるため、SDS法やPREP法のようなシンプルに結論を提示する形の方が好まれると思います。

最後に

企業活動を行っている中で、相手に話を伝えることはとても大事になります。伝える相手のことを考えてストーリーを組んで行くことは、慣れるまでは難しいかもしれませんが、営業活動の中では必要になります。

次回、自社の提案をする機会があった際に、話したいことを一方的に話すのではなく、どのようにストーリーを組んで話していくと聞き手がわかりやすいかを考えてみて下さい。いつもより伝わりやすくなると思います。

それではまた

 

アンドファン株式会社

中小企業診断士 田代博之

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