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外国人雇用の今をデータから考えてみる

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おはようございます。

昨今の生産年齢人口の減少に伴った労働力不足や採用難の問題により、外国人採用に関する関心も高まってきたように感じています。また国の施策についても、単純労働へ門戸を開いたり、在留資格に介護を新設したり、技能実習後5年就労可能になったりと、外国人の就労に対しては緩和/拡大の方向に向かっています。

しかし外国人雇用について、人材不足の解消以外のメリットはないのか、既に雇用を行っている企業はどうなのか実際のところどの程度の方が日本で働いているのかなど、様々な疑問がありましたので、ここでまとめていきたいと思います。

外国人雇用の状況

外国人雇用を行った場合、ハローワーク(厚生労働大臣)へ届け出る義務があるため、ここでは厚生労働省が公表しているデータから、外国人雇用に関する現状を見てみたいと思います。

まずは雇用を行っている事業所、及び労働者数の状況として、平成29年10月末時点で事業者数は194,595か所労働者数は1,278,670人となっています。総務省統計局が公開している同時期の雇用者数が5877万人ですので、雇用者全体における外国人の割合は「約2%程度」ということになります。

労働者数の推移としては、平成24年に現状した以外は増加の一途を辿り、直近3年間では10万人/年程度で増加しています。恐らくこの傾向は今後もしばらく続いていくと想像しています。

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在留資格別にみた外国人労働者数の推移
出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況のまとめより

また労働者数を産業別に見てみると、製造業が約22%を占め、卸売業/小売業が約17%と続いています。個人的なイメージとして、情報通信業はもう少し多いように感じていましたが、4.8%と低い数値になっています。

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産業別外国人労働者数
出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況のまとめより

最後に、都道府県別に見てみると東京が約30.9%を占め、続いて愛知が10%、大阪が5.6%、神奈川県が5.4%、埼玉が4.3%となっていて、この5つで過半数を占めています。

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都道府県別外国人労働者数
出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況のまとめより

とはいえ、各都道府県内の外国人労働者のうち在留資格別の割合を見てみると、各地域に特色があり少し違った姿が見えてきます。

  • 専門的・技術的分野の在留資格」:東京31.0%、京都26.4%、沖縄25.2%、
  • 技能実習」:愛媛67.2%、宮崎67.1%、徳島65.4%、青森62.4%、鹿児島61.0%
  • 資格外活動(留学)」:福岡41.5%、佐賀34.1%、沖縄33.3%、東京32.1%

外国人雇用の企業例

さて続いては、実際に外国人雇用を行っている企業の事例を見て、人材不足に対する解決策以外に、雇用するメリット等があるかなどを見ていきたいと考えています。平成30年5月に経済産業省より「高度外国人活躍企業50社」という事例集が発表されましたので、こちらをベースに話を進めて行きたいと思います。

既に外国人採用を行っている会社の取組みやメリットなどがまとめられているもので、人材確保以外の目的を持った企業の事例を見ることができます。本資料では外国人材の採用メリットを、大きく以下の4つの視点で分類しています。

事業の海外展開、新規顧客の獲得

これは外国語に堪能で、現地市場をよく知る外国人材を採用することで、事業の海外展開や新規顧客・販路開拓を行った例になります。ここでは顧客やパートナーとの架け橋となって活躍されています。

外国人目線での商品開発/サービスの提供

日本人とは異なる新鮮な発想や視点を持つ外国人材が、商品開発に取り組むことで、各国の市場ニーズに合わせた商品・サービスを提供することができた例となります。ここでは外国人ならではの視点や多言語化、インバウンド対応などで活躍されています。

新たなビジネスモデル構築

海外現地法人と日本法人との時差を利用することで、日本国内と海外で業務の分業体制を構築するなど、新たなビジネスモデルが創出できた、または作業効率も向上した例となります。時間や場所が離れているからこその効率化が行えています。

社員の意識改革

外国人材の活動が日本人社員に新たな「気づき」を引き起こし、社員の意識改革や職場環境の改善、生産性の向上ができた例となります。多様な考え方の需要や国際化などを通じて、意識改革や定着率の向上が行えています。

各企業の取組みに関しては、経済産業省のHPより確認が出来ますので、ご興味がありましたらご確認してみて下さい。

経済産業省リリース:
http://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180525002/20180525002.html

最後に

企業にとって日本の生産年齢人口の減少は避けられない問題であり、大きな環境変化の時だと思っています。長期的に見れば必ず日本人の採用が難しくなっていきます。

そのために各企業様では、いい人材を確保しようと様々な取り組みを行っているのだと思いますし、もちろん日本人が採用できないから外国人を採用するという、安易な考えを進める訳でもありません。しかし、この環境変化を機会ととらえて、様々なメリットも考慮した上で今まで以上に現実的な検討を行ってもいいのだと考えています。

つまり、単純な労働者としてや日本では人材が集まらないので外国人を雇用するという消極的な側面ではなく、外国人ならではの活躍を期待して業績を伸ばしていくために雇用するという積極的な側面も、これからは大切になってくるのだと感じています。

とはいえ、外国人を採用し活躍してもらうためには、企業側の環境整備や業務のやり方、言語や宗教への対応など、対応しなければならない課題があると思っていますが、長くなりそうなので、また別の機会にまとめていきたいと思っています。

それではまた。

アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之

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