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ミャンマー進出における本当のリスクとは何か?

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おはようございます。

高い経済成長や若く恵まれた人的資源、地理的ロケーションの良さからミャンマー「アジア最後のフロンティア」と呼ばれ、新たな市場や製造、物流拠点として世界中から注目を浴びています。

近年の民主化の影響もあり、日系企業の進出も増加しています。1つのデータとして、ミャンマー日本商工会議所の会員数の推移を見ていくと、民政化が行われる以前は50社前後で推移していましたが、2017年(12月末)では369社と約7.2倍の増加となり、バンコク(タイ)の1,748社、ベトナムの1,661社と比べて絶対数は少ないものの、着実に伸びている様子が伺えます。

ミャンマー商工会議所 会員数推移
出典:出典:ミャンマー日本商工会議所より(筆者加工)

しかし、まだまだ新興国と言えるミャンマーへの進出においては、不確実性やリスクが多く存在しています。着実に伸びつつある日系企業のミャンマー進出において、どこにリスクがあり、どのような対応策をする必要があるのでしょうか。

ミャンマー進出におけるリスクとは

まずはミャンマー進出においての不確実性やリスクの中から、一般的に言われている項目をまとめてみます。

  • インフラが未整備(道路、電気、インターネット等)
  • 法制度が未整備 ・国内情勢や政情リスク
  • 関連産業が未発達
  • 人件費の高騰/人材難

ここはWEBで調べてもすぐに出てくる内容ですので、既にご存じの方も多いと思います。次にJETROが2016年12月に発表した実態調査の中で、ミャンマーへ進出している日系企業が感じている「経営上の問題点」を見てみます。

ミャンマー進出企業の「経営上の問題点」
出典:日本貿易振興機構「2016年度アジア・オセアニア進出日系企業実態調査」より

ポイントとして、一般的に言われているリスクには「一企業の努力では解決できない点」であり、また同様のリスクが「進出後に問題となっている」ということが言えます。

進出を検討する際には、このようなリスクとメリットを天秤にかけながら、どこまでリスクが許容できるか?どんなメリットが得られるか?進出しないことの機会損失はどの程度か?などを調査して、計画を立案していくことになります。

では、ミャンマーへの進出計画を検討する際(進出前)に、一番のリスクや問題になる点はどこにあるのでしょうか?私は検討段階において必要な、「情報が取得できない点」にあると思います。

ミャンマーの情報を収集する難しさ

戦略策定や計画立案を行う際に、「情報」は企業にとって「目」の役割を果たし、情報が無いということは、目隠しした状態で試合をするようなものです。これではまともな試合が出来るはずがありません。 かの有名な桶狭間の戦いでは、勲功一番とされたのは今川義元を討った武将ではなく、今川軍本陣の位置を正確に知らせた、簗田政綱(やなだまさつな)だと言われていいます。 これは情報の重要性を物語った1つの事例ですが、計画を立案する際には必要な情報をできるだけ正確に集める必要があります。

特に海外進出においては「不慣れな土地」で「見知らぬ顧客」に対して「まだ見ぬ競業」と戦うわけですから、その必要性は高くなります。 昨今ではインターネットの発達により、日本にいながらでもWEBを通じて誰でも簡単に情報にアクセスすることができます。恐らく一般的な情報はすぐに集めることがでるのではないでしょうか。

では、なぜミャンマーの情報収集は難しいのか?

  • 公的機関が出しているデータが少ない(=量の問題)
  • データがあっても信憑性に欠ける(=質の問題)
  • データが古いものがある(=鮮度の問題)

ミャンマー進出を検討する際には、一般的な情報だけでは圧倒的に情報が不足しています。日本では裏付けが確かな、政府が出している各種統計資料や、業界団体、調査会社の資料が多く公開されていますし、役所や図書類でもかなり多くの情報へアクセスでき、市場規模や特性、成長率や競合の状況など、必要な情報を正確に取得することができます。

また、成長が緩やかな日本市場であれば、仮に昨年のデータであっても有効的に活用できますが、経済成長が著しいミャンマーでは、1年前のデータが必ずしも役に立つとは言えない状況にあります。 このような状況では、日本のオフィスにいながらどんなに調査を尽くしても、必要となる情報を集めることができず、進出計画を立案してくことは難しくなります。

ミャンマー進出で大切なこと

このような状況の中で大切になることとは何か。私は「情報を現地に行って自分で取る」ことだと考えています。情報が無いからと嘆いていても状況は急には変わりませんので、製造業でいうところの「3現主義(現場・現物・現実)」、つまり「現場に赴き、現物を手に取り、現実を知る」ことが重要だと考えます。

自社にとって「何が必要な情報となるか?」を日本で明確にさせ、実際にミャンマーに行って必要な情報を取得する、アナログな方法で遠回りのように思えるかもしれませんが、これが一番の近道だと思います。デジタルでは取ることができない、生の情報を得ることができます。 遠く離れた場所から信憑性の低い情報をベースに必死になって計画を作っても、残念ながら効果を発揮することは少ないと思います。

そういえば日本の諺にもこんな言葉がありました、「百聞は一見に如かず」です。是非ミャンマー進出に興味を持ったら、思い切って現地に行って生の情報に触れて下さい。

それでは、また。

アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之

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