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アウトソーシング初心者必見!業務マニュアルがない状態から始める外注化の進め方

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業務マニュアルがない状態からアウトソーシングや外部委託を始めたい企業様が増えていますが、どのように進めれば良いのか悩まれている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、マニュアル作成の手間をかけずにアウトソーシングを始める方法から、段階的にドキュメントを整備していく具体的な手順まで解説します。

Googleドライブなどのツールを活用した効率的な情報共有の方法や、チャットツールを使った効果的な指示出しのポイントもご紹介します。マニュアルがない状態でも失敗しないためのノウハウが身につき、スモールスタートで成功率を高めるためのステップが分かります。業務の属人化を防ぎながら、確実に成果を出せるアウトソーシングの進め方を詳しく説明していきます。


1. 業務マニュアルがない状態でアウトソーシングを始める際の課題

1.1 なぜ業務マニュアルが必要なのか

アウトソーシングを円滑にするためには、業務マニュアルの存在が重要な鍵となります。マニュアルがないと、業務の標準化ができず、品質にばらつきが生じてしまったり、委託先で業務が受け取れなかったりする可能性が高くなります。

特に外部のパートナーに業務を依頼する場合、自社の業務プロセスや必要な知識を体系的に伝えることができず、コミュニケーションコストが増大してしまいます。また、作業の進め方や判断基準が属人化してしまい、スケールアップが困難になるという課題も発生します。

業務マニュアルは、単なる作業手順書ではなく、会社の方針やルール、品質基準なども含めた包括的なドキュメントとして機能する必要があります。これにより、外注先との認識のズレを最小限に抑え、効率的な業務遂行が可能となります。

1.2 マニュアルがない状態で外注化すると失敗するケース

業務マニュアルが整備されていない状態でアウトソーシングを開始すると、様々な問題が発生する可能性があります。例えば、作業の手順や基準が明確でないため、成果物の品質が安定しないという事態が起こりやすくなります。

また、指示を出す側も受ける側も、そのつど確認作業が必要となり、本来の目的である業務効率化が達成できないケースも見られます。特に重要な判断が必要な場面で基準が示されていないと、作業が止まってしまったり、誤った判断がなされたりする可能性があります。

さらに、複数の担当者が関わる場合、情報の伝達漏れや解釈の違いによって、同じ作業でも異なる結果が生まれてしまうリスクがあります。これは顧客満足度の低下や、最悪の場合はビジネス機会の損失にもつながりかねません。

1.3 アウトソーシング開始前の準備で必要な3つのポイント

マニュアルが整備されていない状況でも、以下の3つのポイントを押さえることで、アウトソーシングを成功に導くことができます。また過去にマニュアルのない業務を委託された経験なども確認すると、失敗が少なくなります。

1つ目は、業務の可視化です。現状の作業フローを書き出し、どの部分を外注化できるか、どの部分は社内に残すべきかを明確にする必要があります。Excelやパワーポイントを使用して、業務フローを図示することから始めましょう。

2つ目は、コミュニケーション手段の確立です。SlackやChatworkなどのビジネスチャットツール、ZoomやTeamsなどのWeb会議システム、さらにはGoogleドライブやDropboxなどのファイル共有サービスを活用し、円滑な情報共有の環境を整えることが重要です。

3つ目は、品質管理基準の設定です。具体的な数値目標や、受け入れ可能な成果物の条件を明確にしておくことで、外注先との認識齟齬を防ぐことができます。例えば、納品物のチェックリストを作成し、具体的な合格基準を設けることが有効です。

2. 業務マニュアルを作成せずにアウトソーシングを始める方法

業務マニュアルの作成には多くの時間と労力が必要ですが、実はマニュアルがなくてもアウトソーシングを始めることは可能です。ここでは、マニュアルを作成せずに外注化を進める具体的な方法をご紹介します。

2.1 作業手順を動画で記録する方法

業務マニュアルの代わりに、作業手順を動画で記録することで、効率的な引き継ぎが可能になります。

動画による手順書作成のポイントは以下の通りです。

  • 作業開始から終了までを一連の流れで撮影する
  • 音声による説明を同時に録音し、重要なポイントを口頭で解説する
  • 画面の動きをゆっくり、はっきりと示す
  • エラーが発生した際の対処方法も併せて収録する

2.2 チャットツールを活用した指示出しの実践

SlackやChatworkなどのビジネスチャットツールを活用することで、リアルタイムでの指示出しと情報共有が可能になります。チャットツールでは次のような運用がおすすめです。

  • 業務ごとにチャンネルを分けて整理する
  • 質問や報告用の専用チャンネルを設置する
  • 画面キャプチャを活用して視覚的な説明を心がける
  • 重要な指示は必ずピン留めして後から参照できるようにする

2.3 テンプレート化できる業務の選び方

すべての業務をマニュアル化する必要はありません。まずは定型的な作業から始めることで、スムーズな外注化が実現できます。テンプレート化に適した業務の特徴は以下の通りです。

  • 同じ手順で繰り返し行われる作業
  • 判断基準が明確な業務
  • 特別な専門知識を必要としない作業
  • 成果物の良し悪しが明確に判断できる業務

具体的な例としては、データ入力、画像加工、文書のフォーマット修正、SNSの投稿作業などが挙げられます。これらの業務は、簡単なチェックリストとサンプルがあれば、十分に対応可能です。

また、委託先との初期コミュニケーションでは、以下の点に注意を払うことが重要です:

  • 期待する成果物のサンプルを具体的に示す
  • 納期や予算などの基本的な条件を明確にする
  • コミュニケーション手段と頻度を決める
  • 質問や相談の方法について具体的に伝える

このように、マニュアルがなくても、適切なツールと明確なコミュニケーション方針があれば、効果的なアウトソーシングを実現することができます。重要なのは、段階的に業務を移管し、その過程で得られた知見を蓄積していくことです。

3. 段階的にマニュアルを整備しながら進めるアウトソーシング

マニュアルが完全に整備されていない状態でもアウトソーシングを進めることは可能です。ここでは、実際の業務を進めながらマニュアルを段階的に作成していく手法について解説します。

3.1 Google WorkspaceやMicrosoft 365を使った共有ドキュメントの作り方

クラウドベースの文書作成ツールを活用することで、リアルタイムでの情報共有と更新が可能になります。Google WorkspaceであればGoogle Docs、Microsoft 365であればWord Onlineを使用することで、複数人での同時編集や変更履歴の管理が容易になります。

また以下の機能を活用することで効率的なマニュアル作成が可能です:

  • コメント機能による疑問点の共有
  • バージョン履歴による変更管理
  • アクセス権限の詳細な設定
  • ドライブでのフォルダ整理

3.2 NotionやScrapboxを活用したナレッジベース構築

従来の文書管理ツールより柔軟な情報整理が可能なNotionやScrapboxを使用することで、業務知識を体系的に蓄積できます。これらのツールの特徴として、以下が挙げられます:

  • 階層構造による整理
  • タグ付けによる横断的な情報管理
  • データベース機能による情報の構造化
  • 検索機能の充実

Notionでは、テンプレート機能を活用することで、定型的な業務手順書を効率的に作成することができます。また、Scrapboxは関連情報との紐付けが容易で、業務フローの可視化に適しています。

3.3 スモールスタートで成功率を高める手順

段階的なアウトソーシング展開において、以下のステップを踏むことで成功率を高めることができます:

  • 単純な定型業務から開始
  • 成功事例を基にした展開
  • フィードバックを通じた改善
  • 段階的な業務範囲の拡大

最初は少人数での試験的な運用から始め、問題点を洗い出しながら徐々に規模を拡大していくことが重要です。この過程で得られた知見を文書化し、次のステップに活かすことでより効果的なアウトソーシング体制を構築できます。

特に重要なのは、アウトソーシング先との密なコミュニケーションを通じて、実際の業務フローに即したマニュアルを作成していくことです。これにより、理想論に偏ることなく、実践的で使いやすいマニュアルを整備することができます。

4. 業務の属人化を防ぐためのドキュメント管理方法

業務の属人化は、アウトソーシング成功の大きな障壁となります。特定の担当者しか業務内容を把握できていない状態では、スムーズな業務移管や品質の維持が困難になってしまいます。ここでは、効果的なドキュメント管理方法について解説していきます。

4.1 クラウドツールを使った情報共有のポイント

クラウドツールを活用した情報共有は、リアルタイムでの更新や複数人でのアクセスを可能にします。Google DriveやDropboxなどのクラウドストレージを使用することで、常に最新のドキュメントにアクセスできる環境を整備できます。

特に重要なのが、アクセス権限の適切な設定です。編集権限と閲覧権限を明確に分け、不必要な変更や情報漏洩を防ぐ必要があります。また、ファイルの命名規則やフォルダ構造を統一することで、必要な情報へのアクセスが容易になります。

4.2 複数人での作業手順書のアップデート方法

作業手順書は、定期的な見直しとアップデートが必要です。Teams・Slackなどのコミュニケーションツールと連携させ、気づいた点をその場で共有・反映できる仕組みを構築しましょう。

バージョン管理も重要なポイントです。Google DocsやMicrosoft Word Onlineの変更履歴機能を活用することで、誰がいつどのような変更を加えたのかを追跡できます。これにより、手順の変更理由や経緯を把握することが可能になります。

また月次や四半期ごとに定期的なレビュー機会を設けることで、マニュアルの陳腐化を防ぎます。特に業務プロセスの改善や新しいツールの導入時には、速やかな更新が必要です。

4.3 ナレッジ共有における注意点

ナレッジの共有では、情報の粒度と優先順位付けが重要です。すべての情報を同じように扱うのではなく、重要度に応じて整理・分類する必要があります。

また、セキュリティの観点から、機密情報の取り扱いには特に注意が必要です。社外秘情報や個人情報が含まれる場合は、アクセス制限やパスワード保護などの対策を講じましょう。

また、FAQ形式でよくある質問をまとめたり、トラブルシューティングガイドを作成したりすることで、業務効率の向上を図ることができます。これらの情報は、新規参画メンバーの教育にも活用できます。

5. 効率的なアウトソーシング実現までのステップ

5.1 業務の優先順位付けと外注化の判断基準

アウトソーシングを成功させるためには、まず自社の業務を適切に分析し、優先順位付けを行うことが重要です。特に経営資源の効率的な配分のために、コア業務とノンコア業務を明確に区別する必要があります。

外注化の判断基準として、以下の3つのポイントを重視します。

  • 定型的で反復的な業務であること
  • 専門性は必要だが、社内の競争力に直結しない業務
  • 季節変動が大きく、社内リソースの調整が難しい業務

具体的な業務例としては、データ入力、経理処理、Web制作、カスタマーサポートなどが挙げられます。これらの業務は、比較的標準化しやすく、外部委託による効率化が期待できます。

5.2 コミュニケーションツールの選定と活用方法

効率的なアウトソーシング管理には、適切なコミュニケーションツールの選定が不可欠です。Slack、Microsoft Teams、LINE WORKSなどのビジネスチャットツールを中心に、用途に応じて使い分けることが推奨されます。

特にリアルタイムコミュニケーションが必要な場合は、Zoom、Google Meet、Microsoft Teamsなどのビデオ会議ツールを活用します。また、タスク管理にはTrello、Backlog、Asanaなどのプロジェクト管理ツールを併用することで、進捗状況を可視化できます。

また複数のツールを効果的に連携させるために、以下のような運用ルールを設定します。

  • 緊急度に応じた連絡手段の使い分け
  • 定例ミーティングの実施頻度設定
  • タイムゾーンを考慮した連絡可能時間帯の設定

5.3 進捗管理と品質チェックの仕組み作り

アウトソーシング業務の品質を維持するためには、適切な進捗管理と品質チェックの仕組みが必要です。具体的には、KPIの設定、定期的なレビュー、フィードバックループの構築などが重要となります。

品質管理においては、サンプリングチェックやダブルチェック体制の導入、エラー報告システムの整備などが効果的です。また、成果物の受け入れ基準を明確化し、必要に応じて改善指示を行える体制を整えることが重要です。

またアウトソーシングの効果を最大化するために、以下のようなPDCAサイクルを確立しま。

  • 月次での業務量・品質の分析
  • コスト対効果の検証
  • 業務プロセスの見直しと改善
  • 新規業務の外注化検討

定期的なベンダーとのミーティングを通じて、課題の早期発見と解決に努めることで、長期的な協力関係を構築することができます。
また、業務の標準化やマニュアル化を進めることで、さらなる効率化を図ることが可能です。

6. まとめ

業務マニュアルがない状態からでもアウトソーシングは実現可能です。
最初からLINE WORKSやSlackなどのチャットツールを活用し、スクリーンショットや動画による作業手順の記録を行うことで、段階的にナレッジを蓄積できます。また、GoogleドキュメントやMicrosoft Teamsなどのクラウドツールを活用することで、複数人での情報共有や手順書の更新が容易になります。

重要なのは、まずは単純な定型業務から始めて、成功体験を積み重ねることです。その後、蓄積したナレッジを基に本格的なマニュアルを整備し、より複雑な業務へと展開していくことで、効率的なアウトソーシング体制を構築することができます。

特に注意すべき点は、作業の優先順位付けと、コミュニケーションツールの適切な選定です。これらを意識しながら段階的に進めることで、マニュアルがない状態からでも成功するアウトソーシングを実現できます。

それではまた。
アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之
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