最近ニュースで「外国人雇用労務士®(外労士)」の資格試験が開催されると知りました。聞き馴染みのない資格でしたが、調べてみると今年の11月27日が第1回目の試験になるようです。
新しい資格試験は世の中の動きを見るのにも役に立ちますので、色々と調べながら色々思うところを整理しました。
外労士試験の概要
外労士は、外国人雇用に関係するすべての方が対象となり、外国人の雇用の社会的背景、採用/労務/管理/人権/法務/在留資格の実務に関する知識を問う、網羅性の高い資格になっているようです。試験合格の後に登録講習(5,000円税込)を受講すると名乗れるようになるとのことです。
試験には専用サイトがありましたので、ここから試験概要を見てみます。
- 試験方法:IBT方式(自宅等で受験可能)
- 問題形式:四肢択一(80問)
- 試験時間:120分
- 受験料:8,900円(税込)
参考URL:https://gairoushi.or.jp/
試験方法がIBT(Internet Based Testing)ですので、通常のインターネットやPCの環境があれば受験できるのは助かります。受験料も民間資格にしては少し安価に設定されていますので、申込しやすいと感じています。また問題数は120分で80問ですので、時間当たりで考えるとそこまで多くはありません。
試験の合格ラインも公表は無く、合格発表は1か月後にメールにて通知がされます。
余談ですが、私が受けた試験の範囲ですが、CBT方式のテストは即日で結果が出るのに、IBT方式は数日~数週間かかっています。これの理由をご存知の方いたら、是非教えて欲しいです。
試験範囲については、公認テキストブックから見ていくしかありませんが、大きく以下の5つが範囲になっています。
- 外国人雇用総論
- 労働者の人権
- 労働者の採用と入管法
- 労働者の労務と法務
- 人事制度と人事管理
現在では問題集や過去問もありませんので、実質は公式テキストをベースに試験対策するしかない状況です。テキスト作成と問題策定が同一の人で構成されていれば、テキストの内容を押さえることで、合格レベルまでは到達すると考えています。
○○士の意味って?
今回ご紹介したのは「「外国人雇用労務士®」でしたが、この士業と言われる「○○士」という資格の名前が増えてきたように思います。
有名どころでは八士業と言われる、弁護士、司法書士、弁理士、税理士、社会保険労務士、行政書士、土地家屋調査士、海事代理士があります。それ以外でも、公認会計士、ファイナンシャルプランニング技能士、建築士、宅地建物取引士、技術士、気象予報士、通関士など、様々な士業があります。
これは国家資格の中から一部を紹介していますが、民間資格も含めるととても多くの「○○士」があります。個人的な意見ですが、資格名には「○○士」「○○師」「○○者」「○○検定/試験」が多いと思っています。このように語尾を並べてみると、「○○士」って何か威厳のようなものを感じますし、使いやすいのだと感じます。
資格には、取得すると特定の業務ができる独占業務の有無が分かれますが、外労士は独占業務がありませんので、一定の知識があることを証明するのみになります。
似たような資格で、外国人雇用支援センターが行っている「外国人雇用管理主任者試験」もあります。今後の人材不足を考えると、外国人雇用は有力な選択肢の一つになっているので、知識の獲得や有識者が求められているのだと思います。
最後に
今回は新しい資格新しいニーズだとお伝えしましたが、ますます外国人雇用は身近になってきています。その反面、必要な知識を体系的に学べる機会は少ないのだと思います。
人生100年時代と言われている中ですので、環境の変化に併せて新しいし知識を身に着けることは必要になってくると思います。皆さんもご興味あれば、試験に挑戦してみて下さい。
弊社では、外国人雇用に対するご支援も行っていますので、ご興味あればスタッフまでお声がけください。
それではまた
アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之