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IT教育の若年化が起きている?

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ITpasupo-to

先日、IPA(独立行政法人情報処理機構)から、令和4年3月度の「ITパスポート試験(iパス)」合格者で、最年少7歳(小学1年生)の記録が更新されたとプレス発表がありました。

IT業界の社会人に向けた試験で、小学生が合格することはとても驚きましたが、現代ではこのようにIT教育の若年化が起こっているのも事実です。今回はそんなIT教育の若年化について、少し調べてみました。

ITパスポート試験と最年少合格者から考える

ITパスポート試験はIPAのサイトでは「iパスは、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。」とされています。平成21年4月から令和4年3月までの合格者の平均年齢は29.6歳なので、主に社会人が受験していると思われます。

ITパスポート試験
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/about.html

IT業界を目指す人や、業界で働く人が入門的に取得する資格で、技術者だけでなく営業、製造、総務など、様々な方が受験しています。試験の詳細は割愛しますが、ストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系と、幅広い分野から出題されています。

今回IPAのプレスリリースでは7歳の小学1年生が最年少合格とのことですが、1年5か月前には8歳の小学校3年生が最年少でした。しかも平成21年4月から令和4年3月までの12歳以下の合格者は61名もいるそうです。

IPA:プレスリリース
https://www.ipa.go.jp/about/press/20220414_2.html

ITパスポート試験がいくら入門編と言っても、IT業界ならではの英語をベースにした用語はもちろんのこと、問題文や選択肢には漢字も使われています。小学生では習っていないものも使われていると思いますので、どうやって勉強したのか不思議に感じます。

ただ私の幼少期(30年前)と比べると、ITの環境は大きく違っています。最近の子供はパソコンやスマートフォンがある生活が当たり前で、親のマネをしながら使い方を覚えて勝手にYoutubeをみることもあります。そう考えれば、身近なITの知識を知ろうとする子供が出てくることも必然なのかもしれません。

IT教育の若年化について

2020年にはIT人材は需要と供給を考えると、2030年に最大79万人が不足すると予測が発表されました。数字の大小は別として、長い目でみるとIT人材が求められることは感覚的にも理解できます。

そんな中、小中高等学校でも先端技術を活用することを求めて、文部科学省がGIGAスクール構想を推進しています。生徒一人に1台の端末を基本としていますので、私のころの中学でポケベル、高校でPHS、大学でPCルームの時代と比べると、随分と進んでいます。

私は縁あってIT業界に身を置いていますが、小学校や中学校からITに触れる機会が多くなれば、ITの基礎知識を持った状態で社会に出ることができますので、これからの社会にはとても必要になります。

また資格取得などわかりやすい目標があることは、勉強する側にはとてもいい機会になります。そう考えると、入門編のITパスポート試験のような資格は、大きな意義を持っていると考えますし、入門編の資格であれば学生でも受験しやすいと思います。

最後に

資格というと、高度な技能を証明することに主眼を置きがちですが、入門編のランクを用意して間口を広げつつ、受験者の年齢を下げていくことは、業界の発展には必要になってくるのかもしれません。

IT業界でも、IoTAIDXなど、新しいスキルが求められていますが、入門編の資格の登場や若年層での合格者が出て、業界全体が盛り上がることを期待しています。

それではまた

アンドファン株式会社

中小企業診断士 田代博之

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