作業者 テンポラリー
よくニュースでも耳にしますが、日本に来ている技能実習生は年々増え続けていて、恐らく今後も増え続けるのだと思っています。この制度では3年~5年で本国に帰ることが定められています。
しかし、昨今のコロナ禍の状況で、実習先の経営が苦しくなった場合や、本国への帰国が困難な場合に、在留資格「特定活動」を付与し、日本で働き続けられるような措置が認められました。
制度を知っている身としては、結構大きな変化を感じましたので、私なりに整理していきたいと思っています。
まずは外国人技能実習制度がどんなものかを、簡単に見ていきたいと思います。これは日本に来て技能/技術を学び、本国(開発途上地域等)への移転を図り経済発展を担う人を育成する、国際協力となっています。
そのために、日本にいる間は在留資格として「技能実習(1号~3号)」が与えられます。この在留資格は、対象の職種や企業規模による受入可能人数が定められています。研修や実習での技能取得が目的のため、労働力としての在留資格ではなく転職もできません。
労働力として期待する場合は2019年4月より在留資格「特定技能」が新設され、棲み分けがされています。以前に特定技能について整理した「在留資格「特定技能」についてまとめてみる」がありますので、ご興味あればご覧ください。
次にコロナ化の影響を受けて、今回特例的に出された措置について紹介していきます。詳細は法務省HPに掲載されていますが、要点は以下になります。
参考:法務省HP:http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri07_00026.html
上記2点が満たされる場合に、在留資格「特定活動」への切り替えが可能となりました。2020年4月にはコロナウイルスの影響で実習先より解雇などがあった場合に「特定活動」への切り替えが認められるようになりましたが、今回は対象が拡大しています。
在留資格が変わることで、異業種への転職も可能となり、働き口の確保を行うことができるようになりました。
在留資格「特定活動」は、用意されている在留資格ではカバーできない部分に対して「その他」のように、個別に対応するために用意されている資格となります。代表例はインターンやワーキングホリデーなどになります。
今回は、コロナ禍における特別な措置ですが、制度に変更があると悪用する人や抜け道を探そうとする人が一定数いると思っています。また日本の制度や言葉に精通していない外国人にとっては、なかなか自分一人で対応をすることは難しいのではと感じています。
今回の変化で、本来の狙いとは反して外国人に不利益が出ることがないよう、適切に運用さることを期待しています。
最後に弊社では外国人雇用に関するご相談やご支援を広く行っておりますので、ご興味ある方はお気軽にお近くのスタッフまでお声がけください。
それではまた。
アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之