作業者 テンポラリー
昨今の働き方改革の流れで注目され、2019年の労働基準法のモデル就業規則をキッカケに副業解禁時代と呼ばれるようになりました。少し前までは、アフィリエイトやライター、投資系など、会社員をしながら、且つ個人で稼げる/稼げないにフォーカスが当たっていたように思います。
しかし最近では従業員に対する副業解禁だけではなく、他社の副業人材を採用する企業も増えてきました。以前に「副業や兼業についてのあれこれ」で種類や実態を紹介しましたが、これからは副業、兼業、パラレルワーカーとのかかわり方も変わってくると感じています。
本日は、そんな副業、兼業、パラレルワーカーが集まることで生み出される魅力について、考えていきたいと思います。
まずはそれぞれの言葉について、まだ明確な切り分けはないと思いますが、私なりのイメージを整理したいと思います。
副業とは、本業(多くの場合会社員)があり、それ以外の時間で仕事をすることをイメージしています。あくまで本業が主で、残りの時間(週末や平日夜など)で、無理なく効率よく稼げるかにフォーカスが当たっているように思います。
兼業とは、いくつかの仕事を行っていて、主/副の関係で区別していないイメージです。収入や労働時間の差はあると思いますが、どちらも事業として行っている状態になります。他には複業とも呼ばれることがあります。
パラレルワーカーとは、複数の事業を平行(パラレル)で行っている人のことで、兼業や副業と近いイメージを持っています。違う点としては、事業としての区切りだけでなく並行して複数の仕事に関わり経験を積むことや、非営利の活動も含むイメージを持っています。
様々な働き方が浸透するしてくると、今までの考え方や価値観などにも変化が出てきたように思います。各層の変化を私なりに整理していきます。
この層では、興味を持っている方の増加が顕著と思っています。
今までは副業とか兼業というと何かやましさもあって、投資や実家の手伝い以外では公言している人は少なかったと思いますが、最近では、会社の許可を申請するなどして公言している人も、徐々にですが増えてきたように思います。それに伴い、やってみたいけどどうしたらいいのかと考えている人が増えてきているように感じています。
しかし、会社の就業規則をどう見たらいいか、許可は誰にどのように出すのか、どんな仕事をするのかなどの実施までの悩み、またどこから仕事をもらうのか、時間に対する対価はどうか、継続できるかなど、営業的な面でも悩みを抱えている人もまだまだ多いため、興味はあるけど踏み出せていない方が増えているように感じています。
この層では、既にご自身で実施した経験を持ち、人によってはきちんと収益を上げている方も増えてきています。会社員や他の事業をしていると、時間的な制約がある場合が多いですが、コロナウイルスの影響で多くのことがWEB化や非接触化が進んだことで、今までよりも活性化している人もでてきています。
例えば、イベントや打ち合わせなど、今まではリアルでの開催が重視されていましたが、オンラインでの開催が当たり前になることで、時間や場所の制約から解放されることができます。これらの変化を捉えて対応していくことで、ますます活動の幅は広がってくると感じています。
この層では、パラレルキャリアやパラレルワーカーとも呼ばれ、趣味や好きなことの延長で楽しむことを重視したり、今まで経験していないことを経験することを大切にしたりと、単純な収益目的だけではなく活動をしているかたも増加しています。また地域貢献や専門性を活かしたプロボノ活動を行う方も、増えてきています。
また、副業では自分自身の効率を求めることが多いと思いますが、自身の様々な経験や専門性の掛け算で新しい価値を出していったり、人と人がつながることで新しい価値を生み出していったりと、新しい価値創出を目指す人も多くなってきたように感じています。
こんな変化がある中で、希望者や実施している人が集まる場として、セミナーや異業種交流会のようなものがありますが、セミナーでは具体的な手法(月○○円稼ぐ方法など)を伝えることに重きが置かれ、また異業種交流会では様々な業種の方が参加し交流することが目的なので、副業、兼業、パラレルワーカーが集まるわけではありません。
副業、兼業、パラレルワーカーを実施または実施したい人が集まる場は少ないように思います。同じような悩みや思いを抱えている人を集めて交流することで、多くの気づきを得るだけでなく、新しい価値の創造も起こると思っています。
そこで中小企業診断士の有志で副業、兼業、パラレルワーカーが集まる場として「パラレルワーク広場」を設立しました。
このように書くと少し仰々しいですが、似たような悩みや価値観を持った仲間がゆるく繋がり、悩みの解決や新しい価値を考える場にしたいと思っています。
これからも副業、兼業、パラレルワーカーを行う人は増えていくと思いますし、自社の従業員に対してだけではなく、外部の人の活用など、関わり方が変わってくると感じています。
どんな新しい価値が生まれるかは未知数ですが、そんな場に興味のある方、副業、兼業、パラレルワーカーを実施している方や興味のある方を広く募集していますので、ご都合会えばぜひともご参加ください。
それではまた。
アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之