作業者 テンポラリー
昨今、コロナウィルスの影響により、個人だけでなく企業においても、リモートワークや在宅勤務が推奨されています。直近では無期限でテレワークにすると発表する会社や、それに伴い単身赴任を廃止する会社も出て、暫くはこの状態が続くことが予想されます。
テレワークの普及と訪問自粛により、自社だけでなく交渉相手が在宅勤務などということも多くなってきているので、今まではリアルで対面が活動の基本であった営業現場にも変化が起きています。
営業と言っても企業向けや個人向けで違う部分はあると思いますが、今日は、BtoB(企業向け)の営業現場で何が、どのように変化し、この変化にどのように対応していくのかをまとめてみたいと思います。
まずどんな変化が起きたのかを見ていきたいと思います。私が一番感じているのは「ビデオ会議で打合せすることが失礼でなくなった」ことだと感じています。以前までは、ビデオ会議は物理的に遠隔(他府県や他拠点)の方との打合せをしたり、ある程度関係ができている場合で軽めの打合せを行ったりする場合に使用することが多かったように思います。
この時でも、営業パーソンは出来るだけお客様の元に訪問したうえで、社内とビデオ会議を接続していたことも多くありました。しかし、昨今のテレワークの普及と訪問の自粛により、打合せはビデオ会議で行うことが当たり前となり、失礼であるという感覚は無くなりました。
この変化によりどんな対応が必要になるかというと、「お客様とコミュニケーションをとる手段を選択/交渉する必要がある」点にあると思います。
以前までは、急を要す場合/5~10分程度の話/アンオフィシャル/非定型な話なら電話、定型的な連絡/オフィシャルな話/ログを残す場合はメール、それ以外の場合は訪問して打合せという選択肢でした。これにビデオ会議という選択肢が増えたことで、今までの打合せを単純に置き換えるだけか?使い分けるのか?などを選択し、お客様と交渉/調整をする必要が出ました。
以前に在宅勤務の感想を「在宅勤務のリアル 実践した感想と思うところ」でも記載しましたが、営業パーソンからみた場合も同様で、ビデオ会議にはメリット/デメリットがあると感じています。
まずはメリットから見ていきます。主には移動時間や余裕時間が無くなったことによる影響が大きいように思います。
普段は、移動時間の確保や遅刻しないように余裕をみたりしているため、ここが無くなるのはメリットだと思います。特に車で行く場合、運転者は仕事(電話やメール)ができないので、効果は大きいように思います。
またビデオ会議では違う打合せに移動する場合、リンクを切り替えるだけなので、スケジュール上、あいまがなく詰めることができることもメリットだと感じています。
最後は、訪問とビデオの参加者がいる場合、音声が聞き取り辛かったり、相手の表情や雰囲気が見えなかったり、発言がし辛かったりと、どうしてもビデオ会議参加者の方が情報をとり辛いことが起きていました。全員がビデオ会議になると、この点も解消しているように感じています。
次にデメリットと感じている点を見ていきます。
移動時間が発生しない点はメリットですが、複数メンバー(例:営業と技術)が参加するようなケースでは、事前調整や事後調整が発生することがあります。必ず発生するわけではないですが、打合せの段取り、方向性の確認、想定できる仮説への対応方法、打合せの内容の振り返り、打合せ内容を踏まえて今後の段取り(いつまでに誰が何をするか)確認などが必要な場合があります。
思い返せば移動時間にできていたことも、これが無くなったことで別途打合せが設けられることがあり、移動時間が無くなったことは打合せによってメリットとデメリットがあるなと感じています。
またビデオ会議だと、間なく会議を詰めることができ効率的にも見えますが、複数詰めると開始が遅れたり、準備ができなかったり、頭の切替ができなかったりと、デメリットになる場合もあります。この辺りは1回の会議時間を予定より短くできると回避できますが、お客様相手なので上手くいかない場合は苦労しています。
最後に、複数人でディスカッションをする場合など、ビデオ会議だと発言を待ってしまうことや、その場でさっとメモして見せるなどができないため、やり辛さを感じています。同時に、営業パーソンとしては大事な、ちょっとした会話や少し余計な話をして情報を集めるたり、ニーズを引き出したりすることが、なかなかうまくいかないと感じています。
これからの営業パーソンには、打合せの内容や目的に合わせて、訪問して行う良さとビデオ会議の良さとを比較して、お客様とうまく調整をしていくことが必要になってきます。
私としては、ビデオ会議という選択肢ができたことは、いい意味での変化だととらえています。但し、何も考えずに過ごしていたのでは、他の営業パーソンとの差が開いていくという危機感も持っています。
皆さんも、この変化に併せて自社の営業を見つめなおしてみてください。
アンドファンではIT関連のご支援も行っておりますので、お気軽にお近くのスタッフまでお声がけください。
それではまた。
アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之