作業者 テンポラリー
依然としてSTAYHOMEが要請されている中で、個人が遊びに外出しないだけではなく、会社に行かない(在宅勤務する)ことも求められています。
そんな中で、以前のブログ「急な在宅勤務にITと知恵で対応する」で、急に在宅勤務を行う上での課題やITでの解決方法などをご紹介しました。最近では、在宅勤務自体も増えてきたように思い、その中で様々な課題や思うところが発生しています。
本日は、普段営業でリモートワークを実践している私が、実際に在宅勤務を2か月ほど行っている中で感じた、問題や課題、感想や思うところをまとめてみたいと思っています。
最近、在宅勤務やテレワークの言葉をよく聞きますが、意外と使い分けている方は少ないように思いますので、まずはこれらの違いについてご説明していきます。
厚生労働省 働き方・休み方改善ポータルサイトを見ると、テレワークとは、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」とされています。
テレワークは、遠隔や遠い(Tele)と働く(Work)を合わせた言葉になっています。
またテレワークは働く場所ごとに、サテライトオフィス勤務、在宅勤務、モバイルワークがあります。
サテライトオフィスは「所属するオフィス以外の他のオフィスや遠隔勤務用の施設を就業場所とする働き方」、在宅勤務は「所属するオフィスに出勤しないで自宅を就業場所とする勤務形態」、モバイルワークは「移動中(交通機関の車内など)や顧客先、カフェなどを就業場所とする働き方」と、それぞれに違いがあります。
つまり在宅勤務は、テレワークという大きな考え方の中で、働く場所の違いによる一つの形態ということになります。
私が実際に在宅勤務を行った感想をコミュニケーション面、業務面、環境面、その他と、大きく3つに分けてご紹介していきます。
コミュニケーションのツールとしては、電話やメールに加えて、チャットやビデオ会議を活用しています。相手は社内向けと社外向けの2つがあると思いますが、そのどちらでも使用しているサービスに違いがありますが、ツールに差はありません。
大きなところでは、社内会議や顧客との打合せになります。電話やメールでやり取りをしながら、必要に応じてビデオ会議を行っています。
今まではどちらかというとリアルで集まるのが良しとされていたので、ビデオ会議は物理的に遠方の場合に使用するイメージでしたが、昨今の状況からビデオ会議に抵抗がなくなった効果が大きいように思います。
細かいやり取りは電話やメールやチャットで補えていますが、普段会社にいる時よりも細かい確認のチャットと意識合わせの社内会議が増えたように思います。
課題感としては、これらコミュニケーションコストが増えている点と、同じ資料を見ながら調整することができないため、それを補うためのビデオ会議が増加している点と思っています。また営業的にはインフォーマルな情報収集や調整が減っている点も課題感として持っています。
とはいえ、ビデオ会議だと会議室を取る必要がない、移動がないので電話がつながりやすい、突発的な頼まれ仕事やちょっとした声掛けは減って点などは、メリットに感じています。
業務面で一番心配されるのは、そもそも業務が成り立つのかと、生産性が維持できるかの2点だと思っています。
営業ですと、見積書、検収書、請求書などの月次の書類や、誓約書、契約書などは押印がベースになっているため、正直、ハンコを持ち出すわけにもいかないので、完全に在宅勤務で行うことは難しいと感じています。
電子決済ツールも導入されていますが電子印までは届いていないため、最終的には誰かがハンコをつく必要があり、週に1~2回程度は出勤しているのが現実です。
生産性の面においては、環境面やその人の業務に依存すると思いますが、営業でいうと書類やデータを作成する集中したい作業は、話しかけることがないので集中して作業することができています。また移動時間がないので、打合せにかかる時間も短縮しています。
しかし、上記コミュニケーションのところでもあった、誰かとの調整事項は手間(やり取りや会議)が増えている点は、課題があると感じています。
全体的にみると、捺印面以外では良し悪しを総合すると、慣れてくるとあまり生産性は落ちていないように感じています。
環境面で見ると、ネットワーク面が一つのネックになりますが、最近では比較的リッチな環境がある家庭も多いので、大きな問題になってないように感じます。
しかし、作業ができるデスクや家族との切り離しなどは、各々に工夫が必要と感じています。例えば、リビングやダイニングで仕事をしていると、体制が悪くて体が痛くなるなどの話も聞いています。また小さいお子さんがいるとビデオ会議中に乱入してくることも起きています。
この辺りは、家庭によって事情があると思いますので、仕事へ集中できる環境、気分転換の仕方など、工夫しながら進める必要があります。私としては喫煙所までの距離が短いので、地味に助かっています。
しかし、在宅勤務だと印刷ができないため、この点の課題が大きく感じています。PC画面で確認すればいいのですが、私は結構アナログ人間なのでこの辺りには苦労しています。
その他の事項では、通勤時間が無くなったことで時間を自由に使えるようになった点、スーツではないので仕事がしやすい点、家族とのコミュニケーションが増えた点などはメリットに感じています。
しかし、圧倒的な運動不足な点とおやつがあるので食べてしまう点など、健康面については注意が必要と感じています。それ以外にも仕事とプライベートの区別が曖昧になりがちだと感じているので、
在宅勤務を行うのに、環境面や慣れの部分は大きいと感じています。またコミュニケーションの話では、相手側にも同様に慣れが求められます。
必ずしもいい面ばかりではありませんが、うまく活用すればメリットも大きいと思っています。どのようにしたら良いか迷われている会社様は、弊社でも相談を承っておりますので、お気軽にスタッフまでご相談ください。
それではまた。
アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之