世界と比較する勤勉な日本人の自己研鑽と副業の実態

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作業者 テンポラリー

B!

近年、働き方改革が掲げられて労働環境の見直しが注目がされています。まだまだ改革は進行中だと思いますが、新型コロナウイルスの影響でテレワークの加速など、一部の領域では進んだ部分もあります。

働き方が見直され、従業員のワーク・ライフバランスが取れるようになると、家族との時間や趣味の時間、休息の時間など、個人の時間が増加してきます。

本日は勤勉でまじめと言われている日本人が、勤務時間外でどんな活動をしているのか調べてみましたので、整理してみます。

データからわかる日本の就業意識

株式会社パーソル総合研究所が2019年に実施した、日本を含むアジア太平洋地域(APAC)14の国・地域における就業実態・成長意識についてインターネット調査した結果より抜粋しています。

特に私が気になったのは、自分の成長を目的として勤務先以外での学習や自己啓発活動について聞かれた項目で、結果は以下の通りになっています。

これによると、成長を目的とした活動を「何もしていない」が46.3%と、他国に比べると圧倒的に高くなっています。比較的簡単に出来る読書の分野でも、14か国平均が42.3%なのに対し、日本は27.4%(最低)になっています。

このデータを見ると、各国1,000サンプルなので偏りはあるのかなと思いますが、普段会社で接している人たちを見ていると、体感的にはそんなに大きくズレていないように感じています。

他のデータで顕著なものを見てみると、管理職になりたい21.4%(最低)、会社で出世したい2.9%(最低)、会社を辞めて独立したい15.5%(最低)、何歳まで働きたいか63.2歳(最長)、現在の勤務先で継続勤務したい(52.4%)、他の会社へ転職したい25.1%(最低)となっています。

これを見ていると、自己啓発にかかる金銭面の影響もあると思いますが、それよりも会社に居続けて与えられた仕事をしていれば、取り敢えずご飯は食べていける意識が強いからではないかと思っています。

私個人としては、自己研鑽と言うほどではなくても、自分自身で何かの行動を起こして知識を得たり経験を積んだりすることは、これからの時代に求められてくると思っています。

自己研鑽と副業

昨今では、副業や兼業に対して興味を持つ方も一定以上増加しています。上記の2019年時点で副業や兼業は7.6%(最低)でした。別の調査で、株式会社リクルートキャリアが副業や兼業の動向を2020年12月に7937人に調査した結果では、実施中が9.8%、今後に実施意向ありが47%となっています。

副業や兼業では、会社以外からの収入面でのメリットもありますが、社外でネットワークができたり、自身のキャリアを見直したり、様々な知識や経験をすることができたりと、収入面以外でも多くのメリットがあると思っています。

副業の実施内容を見ると、投資や物販、空き時間での作業やアルバイト、スキルを活かした活動まで様々だと思いますが、出来れば単純な労働だけではない副業や兼業が増えてくることを、私は望んでいます。

最後に

最近では、他社の副業や兼業人財の活用を進めている企業も出てきました。人手不足が進んでいく日本においては、他社の人財を活用する観点はこれから大事になってくると感じています。

具体的な事例などはまだまだ少ない分野だと思いますが、副業や兼業人財だからこそのメリットも多くあると思っています。

それではまた。

アンドファン株式会社
中小企業診断士 田代博之

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